韓国コスメの説明文、そのまま翻訳すると薬機法違反になるかも?日本で使える効能表現は「56項目」

Kwangmo Yang·公開日

韓国の商品ページに書かれた美白・シワ改善などの表現を、日本語にそのまま訳して販売ページに載せていませんか。厚生労働省が定める化粧品の効能の範囲(56項目)をもとに、翻訳で特に注意したい点をまとめました。

この記事が答える問い

韓国のコスメを日本のECサイトやモールで販売するとき、商品説明は韓国の公式ページや卸元の資料を翻訳して作ることが多いと思います。ここで気をつけたいのが、韓国では表示できる効能表現が、日本の化粧品としては表示できない場合があるという点です。

この記事では、厚生労働省が定める化粧品の効能の範囲をもとに、韓国語の商品説明を日本語にするときに注意したい表現を整理します。法的な判断が必要な場合は、必ず専門家や都道府県の薬務担当窓口に確認してください。

結論

  • 日本で「化粧品」として表示・広告できる効能は、厚生労働省の通知で定められた56項目の範囲に限られる
  • 韓国の「機能性化粧品」(美白・シワ改善など)の表現を、そのまま日本の化粧品の説明に訳すと、この範囲を超えることがある
  • 翻訳では「正確に訳す」だけでなく、日本の基準で表示できる表現かどうかを確認する工程が必要

日本の化粧品で表示できる効能は56項目

厚生労働省は、化粧品の効能の範囲を通知で定めています。2011年(平成23年)7月21日の通知で「乾燥による小ジワを目立たなくする。」が56番目の項目として追加され、現在の56項目になりました。

56項目は、頭皮・毛髪、肌、爪、口唇、歯などに関する効能で構成されています。肌に関するものには、たとえば次のような項目があります。

  • 肌を整える。
  • 肌のキメを整える。
  • 皮膚にうるおいを与える。
  • 皮膚の乾燥を防ぐ。
  • 日やけを防ぐ。
  • 日やけによるシミ、ソバカスを防ぐ。
  • 乾燥による小ジワを目立たなくする。

なお、通知では「補い保つ」は「補う」あるいは「保つ」でもよい、「皮膚」と「肌」の使い分けはよい、といった注記も示されています。

韓国の「機能性化粧品」との違い

韓国の化粧品法には、皮膚の美白に役立つ製品、シワの改善に役立つ製品、紫外線から皮膚を守るのに役立つ製品などを「機能性化粧品」とする区分があります。韓国の商品ページで「美白」「シワ改善」といった表現が目立つのは、このためです。

一方、日本の化粧品の効能の範囲には「美白」や「シワを改善する」という項目はありません。韓国語の説明をそのまま訳して日本の化粧品の販売ページに載せると、56項目の範囲を超えた表現になる可能性があります。日本でこうした効能をうたうには、医薬部外品として承認を受けている必要がある場合もあります。

「小ジワ」の表現は特に注意

「乾燥による小ジワを目立たなくする」は56項目に含まれていますが、厚生労働省の取扱いの通知では、表現できる範囲がさらに具体的に示されています。

区分通知に示されている内容
認められない表現の範囲小ジワを解消する表現、小ジワを予防する表現、素肌の若返り効果・老化防止効果
認められない表現の例「○○○が小ジワの悩みを解消します」「乾燥による小ジワを防いで、お肌の老化防止を…」

韓国語の「주름 개선(シワ改善)」をそのまま「シワを改善」「シワを解消」と訳すと、この範囲を超えてしまいます。また、通知では「小ジワ」の字句だけを強調するなど、認められる範囲を逸脱した表現にならないよう注意することも求められています。

翻訳の工程に入れておきたいこと

1. 効能を表す文を抜き出す

商品説明の翻訳では、まず効能や効果を表している文を抜き出し、ほかの説明(香り、使用感、使い方など)と分けて扱います。効能を表す文だけをチェックの対象にすれば、確認の手間を減らせます。

2. 56項目と照らし合わせる

抜き出した文が、56項目のどれに当たるかを確認します。どれにも当たらない表現は、言い換えるか、削除するかを判断します。

3. 製品の区分を確認する

その製品が日本で「化粧品」として販売されるのか、「医薬部外品」として承認を受けているのかによって、表示できる範囲は変わります。輸入元や販売元に、日本での区分を確認しておきます。

4. 最終判断は人が行う

機械翻訳やAIは、原文に忠実に訳そうとするため、韓国の基準での効能表現をそのまま日本語にしてしまいがちです。翻訳の下書きにAIを使う場合も、効能表現の確認は人が行い、判断に迷うものは専門家に相談してください。

チェックリスト

  1. 商品説明の中から、効能・効果を表す文を抜き出したか
  2. その表現が、化粧品の効能の範囲(56項目)に当たるか確認したか
  3. 「美白」「シワ改善」「若返り」など、範囲を超えやすい表現が残っていないか
  4. 「小ジワ」の表現が、通知で認められる範囲に収まっているか
  5. 製品が日本で化粧品か医薬部外品かを確認したか
  6. 判断に迷う表現を、専門家や窓口に確認したか

まとめ

日韓のコスメ販売では、言葉を正確に訳すことと、日本で表示できる表現にすることは別の作業です。韓国では当たり前の表現でも、日本の化粧品としては表示できないことがあります。翻訳の工程に「56項目との照合」を入れておくだけで、販売ページのリスクは大きく下げられます。

本記事は、厚生労働省の通知の内容を紹介するものです。個別の表現が適法かどうかの判断は、専門家や都道府県の薬務担当窓口に確認してください。

参考資料

  1. 1化粧品の効能の範囲の改正について(平成23年7月21日 薬食発0721第1号)|厚生労働省
  2. 2化粧品の効能の範囲の改正に係る取扱いについて(平成23年7月21日)|厚生労働省
  3. 3화장품 정책개요|식품의약품안전처

Kwangmo Yang

Freelance Developer & Translator · Based in Osaka, Japan

大阪を拠点に、AI業務自動化、Web・ツール開発、日韓の言語サービスを手がけています。

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